大学対抗交渉コンペティション(The Intercollegiate Negotiation Competition)は、交渉に対する社会の関心を深め、学生に交渉を学ぶインセンティブを高めるために、大学を越えた交渉と仲裁の他流試合の場として2002年に設立されました。現在のわたしたちのミッションは、グローバルな世界で新しい価値を創造し対立を乗り越えることができる交渉者を育てることです。
交渉コンペティションは、参加者の努力と、スポンサーや審査員、たくさんの教員の熱意によって発展し続けてきました。毎年、日本や外国の法曹関係者、多種多様な企業の関係者、大学教員等、100名以上の方々が審査員として協力して下さいます。 たくさんの方々の熱心なサポートのおかげで、交渉コンペティションのレベルは年々高まっています。
交渉コンペティションの過去の参加者の方々(OB・OG)は、社会のあらゆる分野で活躍されています。さらに、OB・OGの方々は出身大学や他大学の後輩の指導、大会当日の運営さらには審査員としてコンペティションのレベルアップに熱心に取り組んでくださり、後輩達の大きな励みとなっています。よりよい交渉者を育てるというわたしたちのミッションは、OB・OGのみなさまの活躍によって実現しつつあるといえるでしょう。
末筆ながら、交渉コンペティションを支えて下さっているすべての方々に心からのお礼を申し上げますとともに、第1回大会から支援を続けてくださっている住友グループ広報委員会様には特別の謝意と敬意を表したいと思います。
大学対抗交渉コンペティション運営委員会 代表
野村美明
インターカレッジ・ネゴシエーション・コンペティションは、毎年1回、2日間にわたって行われる仲裁・交渉の大学対抗戦で、インビテーションベースで運営しています。1日目には模擬仲裁を、2日目には模擬交渉を行います。仲裁も交渉も、国際的なビジネスを題材とした問題であり、約2カ月かけて英文契約書を含む数十頁の問題に取り組みます。各大学は架空のネゴランド国のレッド社あるいはアービトリア国のブルー社のいずれかを担当します。大会には日本語の部と英語の部があり、英語の部では書面の作成から口頭でのやりとりまで、全て英語で行われます。
仲裁はUNIDROIT国際商事契約原則を準拠規範とするもので、参加者は弁護人団となって、仲裁人役の審査員を前に、説得力ある弁論を行います。大会の前には、準備書面や答弁書の提出も求められます。交渉では、レッド社とブルー社に共通の情報に加えて、レッド社、ブルー社の固有の事情等を記載した秘密の情報が配布されます。各メンバーには、副社長、取締役、部長等の役職が割り当てられ、役職に応じた役割を果たさなければなりません。
毎年、多くの実務家、裁判官、弁護士、研究者の方々に審査員をして頂いており、OB・OGの方々にも審査や運営を手伝って頂いています。こうした方々から学べることもコンペティションの魅力の1つです。
毎年のコンペティションの様子や審査員・教員・参加者の方々のコメントが法学教室3月号に紹介されているので、ぜひご覧ください。
開会式
会場の上智大学
対戦室
対戦の様子
対戦の様子
審査の様子
1日目夜に開催される懇親会
閉会式
住友杯と準優勝盾
- 太田 勝造 (明治大学教授/運営委員会委員長)
- 大西 楠・テア (東京大学准教授)
- 岡田 幸宏 (同志社大学教授)
- 小川 和茂 (公益財団法人日本スポーツ仲裁機構)
- 小野木 尚 (明治学院大学准教授)
- 齋藤 宙治 (東京大学准教授)
- 田村 陽子 (筑波大学教授)
- 長田 真里 (大阪大学教授)
- 野村 美明 (大阪大学特任教授)
- 平野 温郎
- ダニエル・H・フット (東京大学特任教授)
- 藤澤 尚江 (筑波大学准教授)
- 森下 哲朗 (上智大学教授)
- 森田 果 (東北大学教授)